樹づくり人が思っているのは、杜松が、なぜこのような不思議な樹形になったか二その不思議さを、樹の歴史を、生きざまについて、思いを巡らせているのだ。 とにかく力強さに惚れこんで、入手した。 幹・根元の力強さといったらどうだろう。 実にダイナミック。 まるでスポーツできたえた筋肉のように逞しい寒椿。 だが、普通枝が横にひろがる性質があり、あまり幹は太らない。 畑で育てた樹といえども、かなりの努力を要している。 それに寒椿は、やたら花芽がつきやすい。 そのために幹が太りにくいかもしれない。 この樹も、枝にたくさんの花芽をもっている。 12月には、花がやってくるはずだ。 寒椿の花は他の椿に較べやや小さい。 これは、山茶花の園芸品種(異説もある)であるためだろうか。 大きい椿の花よりも、やや小ぶりな寒椿のほうが、盆上で樹と花のコントラストがうまくとれるような気もする。 もともと椿は、この樹のような太幹より多幹体のものが多い。 そして、樹形も細目ですっきりとした味わいのものとなる。 そのため、椿の大きな葉と幹のバランスのとり方が難しい。 しかし、この樹に関しては、幹径が充分過ぎるほどあるので、葉とのバランスを気にする必要もない。 それだけ椿としては異色の樹ともいえるのだが。 |