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伊勢産ネズミサシの古い持ち込み樹の改作を紹介しよう。 伊勢杜[松は、三重県など紀伊半島に主に産するネズミサシである。 ハイネlズと正式には呼ぴ、あまり大木にならない。 小品〜中品樹と して相当量が山採りされたものである。 林の中や海岸に近い,砂地にもあったとされるが、現在、素材はほとんど残されて いない。 自生樹の多くは、自然の状態で枝枯れなどによる舎利があり、それが樹皮が残ったり汚れのため黒ずんでいる。 自然林のなかでは目立つような樹種ではなく針葉をつけた枝が荒々しく伸びている状態。 小品用の素材で細くとも舎利を持つものは、イボ状の塊になる三ともある。 '小さいながら百年以上を経た自然の産物で人工ではまず作出できない姿なのである。 このイボ状の塊は気根のようだが自生では、それぞれに小さな葉が密生しており、育たない短枝が百年以上かけて盛り上がったものである。 ネズミサシ独特の姿で、貴重このうえない素材といえる。 今回紹介するのは、伊勢ネズミサシでは珍しい部類の中品。 持ち崩した時期を経て、3年をかけて樹勢を回復した素材である。 白然との親密さ、瞑想的かつ哲学的な生きざまとあいまって、その役割の重要さのゆえに、牧夫はたいそう尊敬されたのである。 統治者たちは好んで牧夫と対話し、その助言に耳をかたむけた。 何千年ものあいだ、詩入たちは「よき羊飼い」や・そのイヌ、ウシ、ヒツジやヤギなどを、叙事詩、叙情詩や、田園詩の中心にすえてきた。 現在でも牧夫を主題にした歌は、毎日何千という放送局で放送され、何百万枚ものレコードがくりかえしかけられている。 いっぽう・吟遊詩人は、ほんとうの詩人ではなくて、流行歌の作詞家にすぎず、かれらは牛飼いではなく罎碧うたっている。 いまのカウボーイ・ソングの熱狂者たちは、ウシの群れを飼うのは非常に技術を要し、また骨の折れる仕事であって、六〇〇〇年以上の古い伝統をもつ遺産であることに・ほとんど気づいていないのである。 カウボーイの起源は、せいぜい三〇〇〇年をさかのぼるに過ぎない。 その祖先は、スキタイ入とサル了ト人の馬を使屋飼いたちであった。 |