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鉢植えに薬剤を使用するときは、つぎのことに注意してもらいたいと思う。 @必ず「農薬」と表示のあるもののみを使う。 同じ「名前」の薬剤でも、家庭用のものは薬剤効果を高めるために鉱物油などが入っているものがあって、植物に害がある可能性がある。 A使用の目的が、殺菌であるか殺虫であるかを明確にして、その混同を避ける。 B毒性に注意し、使用はできるだけ普通物とし、やむを得ない場合でも、劇物にとどめ.毒物の使用はなるべく避ける。 C池や養魚場などが近くにあった卵、農薬が河川に流入する恐れがあるときは、魚毒性に充分留意すること。 D農薬は、2種類以上のもの(例えぱ2つの殺虫剤、または殺薗剤と殺虫剤など)を混同することによって、@その効果の高まるもの。 A効果の変わらないもの。 B効果の低下するもの。 C化学反応などによって害が出るもの、などがあるので、混同使用するときは、必ず「混用適否表」を見て、その安全性を確認すること。 Eそれでも不明の点があるときは、「農業改良普及所」「農協」などに問い合わせ、安全の確認をすること。 現在、鉢植えに使われている農薬は、比較的少ないが、多く使われると思われる農薬を挙げるとつぎのとおりである。 (@農薬名、A殺菌虫別、B毒性、C魚毒性、D主な使用目的)@石灰硫黄合剤A殺菌殺虫B普通物CAD越冬病害虫(予防散布)@銅水和剤A殺菌B普通物CBD一搬病害防除(松・真柏)@ダイセーンA殺菌B普通物CAD 一般病害防除@ジネブ剤A殺菌B普通物CBD一般病害防除@ペンレートA殺菌B普通物CBD 一般病害防除 @カラセンA殺菌B普通物CCDウドンコ病@マシン油A殺虫B普通物CADカイガラムシ@スミチオンA殺虫剤B普通物CBDアプラムシニ般害虫@マラソンA殺虫B普通物CBDアブラムシ・一般害虫@デナポンA殺虫B劇物CBDカイガラムシ(松綿虫)@カルホスA殺虫B劇物CBDカイガラムシ(松綿虫)@アカール嬲A殺虫B普通物CBDハダニ類@ケルセンA殺虫B普通物CBDハダニ類・一般害虫@硫酸ニコチンA殺虫B毒物CADシンクイムシ・アブラムシ@ランネートA殺虫B劇物CBD一般病害防除(ハマキムシ) これらのうち、一般病害防除という言葉ははなはだあいまいであるが、羅列するときりがないので、一応このように挙げてみた。 どの薬にもその効果の特徴が書いてあるので、それに従うこと。 舎利幹と神(ジン)は、真柏に限らず松柏類一般に見られる観賞のポイントであり、魅力である。 しかし真柏のそれは格別である。 むしろ他の松柏類では舎利やジンをもたなくても不思議はないが、真柏では舎利やジンを有しない鉢植えは奇異にさえ感じられる。 つまり真柏の舎利とジンは欠かすことのできない要素であり、水吹いと緑葉との三位一体となっているのだ。 それだけに、舎利幹の清潔感が重要視される。 とくに山採り真柏の舎利やジンは、入為ではなかなか創作できない白然の妙味ともいえる造形美を誇っている。 そこに手を加えざるを得ない場合は、白然感を表現するためにさまざまな用具が用いられている。 本来、あるべきではないところにある枝は鉢植えでは嫌われる。 逆にあるべきところにない枝は望まれる。 真柏の場合、そうした制約から解き放たれた特異な樹種といえよう。 とくに捻転する幹と水吸いは、どの部位からどんな分岐を見せようとそれが許されるほどの、白由闇達で奔放な動きを示している。 素材は人為的に仕立てられた素材であり、小枝のない、しかもコケ順の乏しい徒長した枝をもっている。 このままではとても鉢植えとし しかし前述の真柏の特性から、この直線的な徒長枝を白由に曲付けすることが可能であれば、話は別である。 通常、ここで示した手繰りの技法は他の樹種ではごまかしの技法として嫌われる。 しかし真柏ではこの技法の採用は許されるのである。 かといって写真のような極端な曲付けは、いかに幹に粘性のある真柏といえども、そう容易ではない。 ことに写真の素材はかなりの太さをもつ徒長枝である。 単に太い針金をかけてもそう容易に曲げられるものではない。 部分的に幹に割を入れることによって曲げやすくする工夫が施されている。 樹に加わる負担はかなりのものが想像されるが、真柏にはそれに耐える強靱な樹性が備わっているのである。 いずれにしてもこうした技法は一種の荒枝であり、素材作りのプロの技であるから、趣味家がすぐに真似できるものではない。 あくまでも真柏の特性を知るうえでの参考にしていただき、樹形づくりに応用されたい。 |