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<斜幹木、模様木、または双幹体V11どちらかというと柔らかさのある樹形ですから、楕円鉢、それもやや浅めの鉢が映りがよいでしょう。 枝の張りが強い場合は、外縁か袋式を用いるとよいでしょう。 また斜幹には正方形(升形)がよく似合う場合があります。 <株立ちV11丈の高い樹は、中深の長方形、枝が横に張った樹にはやや浅めの長方形か楕円形が映ります。 <根連り、寄せ植えV11概して、浅めの楕円であまり縁の強くないも のがよいでしょう。 つまり切立状のものです。 ただ、文人調のものはごく浅い皿状のもの(南蛮皿)を使って効果をあげるケースが多いようです。 また寄せ植えの場合は、鉢面を十分にとれるものを選ぷことは言うまでもありません。 <石付きV11長方か楕円の浅めの鉢が似合います。 もし島や滝の景観をつくりたいのであれぱ、.水盤か銅盤がよいでしよう。 (懸崖.半懸崖V11懸崖は下方鉢か深さのある丸形、升形などが似合います。 半懸崖には輪花式か木瓜式、あるいは額面などを施した重厚な味をもった中深の丸形か升形などがよく映ります。 <文人木V11朱泥、紫泥などの渋い味のある丸鉢が合います。 そして樹に対して小さめの鉢がよいでしょう。 10年ほど前のことだが、日本の伝統芸能の世界に「守・破・離」という言葉があることを知った。 この言葉は芸道習得過程を示す表現なのであるが、もとは茶道の江戸千家流の祖である川上不白がいった言葉だという。 「守」は師匠について教程通りに教えられ、習得した芸をしっかり身につけて守っている段階。 「破」はそれにとらわれないで自分の芸を発展させ、創造性を働かせるようになった段階。 「離」はそれらを超越して白由奔放に芸を演じ、しかも芸の本道にははずれていない入神の芸境の段階であるという。 しかも年齢でいうならば、60歳まではひたすら「守」であり、「破」も「離」も牛ホの坂を超えてからのことと覚悟あるべきであるという。 これを知ってやっと永年の疑問を晴らすことができたのである。 芸の道は厳しくて遠い。 そして基本技術習得段階が恐ろしく永いのである。 これがプロの本質というものなのだろう。 万事が即効主義の今の世相に、このことが全てに当てはまるとは思えないが、画家はデッサンに時間をかけ、歌手は発声練習を繰り返し行ない、相撲は四股、鉄砲によって足腰を鍛える。 基本にどれだけ時間とエネルギーを投資するかが、その道で大成するかしないかの分かれ道になるのではないのだろうか。 芸能人たちの世界を見ていても、付け焼き刃の芸は、μ時は受けてもやがては忘れられてしまう。 基本を守ることは、平凡のなかに非凡を追及することである。 |