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泥鉢と紬薬鉢。 「鉢植え」の「盆」は平らなはち、「栽」は草木を植えること、を意味します。 つまリ、「鉢植え」という言葉には、鉢と樹をともに鑑賞するという意味があるわけです。 では、その概観をのぞいてみましょう。 鉢植えの申で、最も代表的といわれるのはマツ類類です。 そのマツ類類に似合うのは泥もの。 中国鉢の朱泥、紫泥、鳥泥、黒泥、自泥などはその景観を高めます。 和鉢の泥ものは、素地に鉄の含有量の多いものが好ましく常滑焼や万古焼などの土が代表的です。 しかし、今日では良い泥ものの素地土が入手困難なため、入為的な方法で泥鉢の素地土を研究してゆく必要があります。 では、雑木類はというと、泥鉢がその景観をそこなうというものではあ12ませんが、紬薬のもつ雰囲気、租の流下する具合など、租薬を施し た陶磁器の鉢は、格段の魅力があります。 租薬陶磁鉢も泥鉢同様、渡来の良品があ12、交肚もの、南京もの、釣窯、広東、蕎麦、青自磁など粕調のきわだった逸品や染付・赤絵・金禰手、象巌など彩画・彩彫刻したものなどがあります。 ただ穂薬鉢は陶磁器に施租するので、液体・気体を通さないことが条件です。 ですから、樹木の生育に緋水・通気が不可欠であることを考えると、この点軸薬鉢には不適性があることになります。 この点は、泥鉢は土の焼締りが鈍くガラス質の被膜もないので俳水・通気に優れています。 従って和薬鉢の場合は、不適性を認めた上で用いるわけで、土から切り離して鉢という限られた土壊で育てる無理を承知の上で、庭木にはない名木を育てる鉢植えに似ているかも知れません。 古根・古土 樹勢の強い種類ですが、他の樹種と比べると比較的根は太くて小根は少なく、固くてもろい性質があります。 従って、無理な根ほどきをすると細根がボロボロと落ちてしまうので、作業時は多少の注意が必要です。 仕立中の苗木は、古土はほとんど落とし、細根も半分ほどに切り詰めます。 完成樹の場合は、表土、鉢回り、鉢底など全体の3分のーの古土を落としますが、ほどいた根は元土近くまで切り詰めます。 特に徒長根は深めに切っておきます。 培養土 実もの類に用いる培養土で、保水性に富んだ土であれば、苗木や完成樹ともに同じ培養土でかまいません。 関東地域であれぱ、赤玉土8に硬質の桐生砂2くらいの混合土で、ミジン粉を除いた3〜7nm粒くらいの混合土が適当です(小品仕立ての場合は2〜5nm粒)。 |