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五葉松の葉を、いっきに一年で増やす方法とは何か?。 ただ、最初にことわっておくが、この方法を用いると、一年間は樹を飾ってみることができない。 実にあられもない、さびしい姿になってしまう。 さて、その方法であるが、たった1行で説明が終わる。 -古葉だけ残し、新葉をすべて取る」 新葉を取り去った軸と古葉だけを残す。 ただ樹は苦しい思いをする。 その苦しみをパりーにかえ、翌年に一葉数を増やすのだ。 葉にかわる頃、新葉が5本ずつにわかれる状態の時が一番いい。 5月末から6月20日までに行なうようにしたい。 ただ、あまり葉がかたまってしまうと、葉が取りにくくなるので注意が必要。 葉を取る場合、指先で新葉をねじるようにして抜く。 そして、新葉を先に述べたように全部抜く。 少し残すと、その新葉の方に力が行き、来年の芽ぷきが悪くなる。 また、抜いた後、軸に残った皮がバラバラと落ちてくるが、これは心配する必要がない。 この作業を行なうと樹は苦しむ。 だから、当然、樹勢の強い樹でなくてはいけないし、春先から肥料をたっぷ12あたえておいたほうがいいだろう。 新葉を抜いた後は、かなり樹勢が落ち、水あげも悪くなる。 水を控えめにし、陽あたりのいい置き場でいたわってあげる。 樹の水あげがよくなったら、肥料をあたえても良し。 あなたの棚の上で、葉がもうひとつ増えないと片隅に追いやられている五葉松があるなら、古葉だけ残し新葉を抜く方法を試してみては……。 中品、小品、そして老朽化した五葉松を若返らせる方法としても効果的だ。 芽摘みと剪定 この樹種の特性として、新梢の葉は羽状複葉で対生ですが、伸びるに従って下葉は落葉してしまうので、秋頃には茎頂近くに密集した姿になり、途中から枝分かれすることはほとんどありません。 仕立て中の苗木の場合は、新梢が伸びはじめてきた5月中旬に、一度だけ芽摘みをして枝数を増やします。 その後に伸びる芽は摘まずに、そのまま伸ばしておきます。 全体の樹形を整える剪定は、早春の芽出し前に行ないます。 ある程度の樹形ができてきたら、不要な徒長枝は、生育中でも元から切り取っておきますが、その他の新梢の芽摘みはしません。 全体の樹形を整える剪定は、仕立て中の若木と同じく、春の発芽寸前に行ないます。 針金かけ 幹や枝が直線的に伸びる樹種なので、多少は針金による矯正が必要ですが、強い模様をつけるとこの樹種らしさを失うので、できるだけ剪定で樹形を作ります。 針金を掛ける場合の適期は、植え替え直前か、新梢の伸びはじめた5月中旬に行ないます。 病害虫 アブラムシやヵイガラムシが生育期に発生するので、殺虫剤で薬殺します。 病気は日陰で栽培するとウドンコ病が発生しますが、直射光下で栽培すればほとんど発生しません。 殖やし方 実生や取り木が簡単にできます。 実生は前年の秋に完熟した黒色皮に覆われた仮種子を採取し、翌年の春に播種します。 播種床の土は植え替えに用いた粒土でかまいませんが、粒の大きさを5nm以内にします。 播種した年はそのまま伸ばし、翌年の春に単鉢か寄せ植えします。 取り木は環状剥皮法で6月中旬に行ない、9月中旬には発根しているので切り離せます。 |