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舎利の業しさを発見したのは30代の頃。 スキーが好きでよく山へ出かけたが、その折、風雪に耐えて生きている大自然の舎利に出会ったのだ。 それがはじまりである。 蝦夷松や栂を多く見た。 こういう樹を盆に入れたらおもしろかろう……。 だからなのか、たくましさのある樹形が、今も好きである。 山採りのネズミサシは、今日では貴重だが、お客さんは種木からそれを育ててきた。 そして、育てた樹は絶対に手放さない。 愛着がある。 いつも手許に置いてながめていたい。 真っ赤な小根は健康的に美しい。 舎利幹は自然の力の大きさを感じさせる。 ともに、命がとりうるひとつの姿である。 いっぽう、アーカンソー州やテキサス州の放牧場で飼育された畏い魚をもつウシと、アラバマ州やテネシー州の短い角をもつウシの群れは、鉄道でシカゴに遡ばれている。 シカゴにおける四大牛肉加工工場の積荷場からは、毎日およそ七〇〇〇匹から八OO〇匹のウシが屠殺場に送られる。 そこで、一日つるされたのち、商度の技術による流れ作業で加工される。 そのほとんどは、餓詰めにされたり、ソーセージやサンドイッチ用の肉に加工されたりしている。 肉と魚を加えた批界の消費批は、年間一入当たり四八ポンド[ニニキログラム]をやっと超えたていどと考えられる。 けれども、先巡因では、年間一人当たりの平均消費量は一〇〇ー一四五ポンド[四五・四-六五・八キログラム]である。 いずれにしても、統計的に正しい数字が得られるのは、フォークとナイフを使って食事をする四〇パーセントの入種からで、はしを用いて食事をする三〇パーセントの人種からも、おおよそ正確な数字を得ることができる。 残りの、指を使って食事をする世界入口の三〇パーセントについての統計上の数字は推測の城を出ていない。 |