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また一方で、できの悪いこどもほど可愛いというのもある。 できの悪いこどもでも、何くれとなく世話をすれば、いつの日かいいこどもになるかもしれない。 そんな望みを抱きながら、作る。 これが世話のかかる樹種であれば、なおさらその気持ちがつのるものだ。 たとえば、黒松などがそうだ。 芽切りなど、作業をすることが多く、手間をかけなくてはいけない。 だが、同じ松でも五葉松となるとちょっと違ってくる。 黒松に比べ、作業も少ない。 大型の五葉松はそうでもないが、中型や小品は、芽が黒松のように増えてくれないからと、うちすてられることが多い。 特に小品は、枝がのびてくれない、思い通りに芽が揃ってくれないから、培養が難しいと結論づける人も多い。 しかし、結論を急ぐのは、早計である。 こどもの教育は時間がかかるが、それなりの処置をほどこしてやれぱ、りっぱに立ち直る。 そのこどもの欠点ばかりを見つめていては、よい方向へと導くことはできない。 きちんと指導すれば、時には欠点も長所となることがある。 その実例を五葉松で紹介してみよう。 葉の少ない五葉松を、一年後には八ツ房と見違うほどの葉数にする方法である。 これは中品や小品に効果的な方法と氏は言った。 1行の重み。 こんにちでは、一〇〇以上の品種のヒツジが世界中のいたるところに分布している。 これらのなかでもっとも風変わりなヒツジは、もっとも古い品種でもある、アジアのアルガリ[別名バンヨウ]の直系の子孫である。 アルガリは太い尾をもったヒツジで、その肉は北アフリカやアジアの特定の地域で賞味されている。 この種類はアッシリアの浮き彫りにも見られ、特異な太い尾によってすぐに識別することができる。 紀元前五世紀にさかのぼり、ヘロドトスはこれらのヒツジの奇妙な飼育法について次のように述べている。 「アラビアには二種の羊がおり、これは他のどこにも見られぬもので、まことに驚異に値する。 その内の一種は尾が長く三ペキュス[約一・三メートル]を下らない。 もしそのまま引き摺らせておけば、尾が地面に擦れて擦り傷がつくはずである。 ところが羊飼たちはいずれも良い大工の腕をもっていて、小さい車を作ってこれを尾の端に結びつける。 一頭ずつ羊の尾を、その車一つずつに縛りつけるのである」(ヘロドトス『歴史』[巻三、:三節]、松平千秋訳) ヨーロッパでも、スイスの湖上住居者の部落の発見で証明されたように、ヒツジははじめのうちは食肉用に飼育されていた。 エジプトでは、同じような食肉種のヒツジが飼われていた。 |