南限は屋久島の北緯三〇度一五分で、南部の前岳地区だけに分布しており、種子島には分布していない。 伊豆七島では大島にだけ分布しており、他の島には分布していない。 鹿児島県のトカラ列島、奄美諸島から沖縄県の諸島にはアカマツに似たリュウキュウマツ(オキナワマツ)可ぎ誘ご○ぎ窪奄ッζ妾冒が分布している。 樹皮は黒褐色で老木では深く裂け、クロマツに似ているが、冬芽は帯赤褐色でややアカマツに似ており、葉は長さ一〇〜二〇センチでやや長いが柔らかいのでアカマツに似ている。 小笠原では初め植栽したものが、父島などに広く野生化している。 父島は降雨が少なく、水源地がとぼしい。 リュウキュウマツやギンネムの生えた山地を歩いたとき、このリュウキュウマツが水を吸い取って谷の水を無くしているのではないかと質問されたことがある。 アカマツは内陸部に多いが、海岸近くにもあ12、海抜二ー一五〇〇メートルの閲に多く分布している。 垂直分布の最高は長野県南佐久郡川上村大山の頂上、海抜約二、二九〇メートルである。 アカマツの分布密度の大きいところは、年降水量が約]000から二〇〇Oミリの地方で、日本としては比較的降水量が少なく、夏季に降水が多く、冬季には少ない。 陽樹であるから、充分な陽光があたり、適潤でやや肥沃なところを最も好みよく成長するが、土地に対する適応性は広く、強い乾燥にも耐え、岩壁、岩石地、砂地、原野など地味が癖悪な乾燥地にも生えている。 しかし、過湿地では生育が悪い。 塩害に対してはクロマツより弱く、雨量の少ない台風のとき、アカマツとクロマツが混交している海岸に面した丘陵地で、アカマツの針葉のみが塩害をうけているのが、しばしばみられる。 |