A切り足の丸鉢で、三箇所切れたところがあるものは、「三箇所切れていると思わず、足の巾が広くなったため、足と足との間隔が狭くなった」と考えるべきである。 こう考えると、@と同じように、3つの足のうちーつを『正面』とすべきである。 3つの足の鉢は、今述べたように、いずれかその一つを『正面』とするのが正しいが、時には、二つの足を『正面』として、真後ろに足をOつ配置することがある。 これは理論的に正しくないが、「斜幹」などの盆栽を植えるとき、重心とのかね合いで、そうした方が良い場合がある。 このようなときは『正面』が間違っていると三目うより、コ袈正面」を表に出したと言う考え方をすればよい。 B太鼓鉢(たいこぱち)の中には、鋲を打ったような鉢をかなり見つける。 このような鉢は、大体Aのように、3つの足のうちどれかーつを『正面』とすべきであるが、その足と鋲の「ポイント」とが噛み合わない場合がある。 このような鉢は、3つの足のうち、鋲のポイントと噛み合う足を『正面』としなければならない。 C「枡鉢」の場合は、通常平面を『正面』とするが、このとき裏に、「落款」の頭の方を『正面』とする場合がある。 D「枡鉢」で、各4つの面に「絵」と「文字」が交互にある鉢もあって、このような鉢は、「絵」が『正面』か、「文字」が『正面』かは、よく聞かれることである。 この場合、そのいずれと言うことには、深くこだわらないが、「絵」を重視することの方が多い。 |