まらず、作った所の地名・窯元の名など複雑に絡まプて呼んでいるから、細かく分類するときりがなくなる。 1 海鼠(なまこ) 暗青色の糟が掛かったもので、「租もの」では最も多い。 粕を掛ける前の本体は、紫泥が多い。 2 白交班(しろこうち) 表面が白いことからこの名がある。 なお交肚は、交班窯で焼いたことから来ている。 同類のもので、表面が青いものに青交肚がある。 本体は紫泥のものも見られるが、多くは白泥の仲間の粘土の、軟らかい焼きものが多い。 3 南京(なんきん) これは、南京で作ったからこの名になったものと思われるが、磁器に紬を掛けた物が多い。 有名なものは「黄南京(きなんきん)」である。 4 広東(かんとん) 広東で作ったことから、この名がある。 白色に上がる粘土を、陶器の範囲のかなり低温で焼いたらしく、青緑に近い和を掛けたものである。 質はあまり良くないものが多い。 これら鉢の多くの呼び名は、すべて「中国(昔の支那)」で生産された鉢についての名であるが、和製の鉢にも紫泥に相当するものは多い。 しかし、和製のものは、それがたとえ紫泥であっても紫泥どは普通呼ばず、ただ「和」と呼んでいる。 また「朱泥」に相当ずるものは、「ぱんこ」などと呼んでいる。 鉢の形からくる名称@丸鉢(まるばち) 真上から見た形が、円のもの。 A長角鉢(ちょうかくばち) 真上から見た形が、矩型形のもの。 |