盆栽でいう「時代」とは、鉢を長く大切に使っていると、油脂分や色々な不明の成分が鉢に染み込み、かつ艶が出て、いかにも古い、そして渋い感じが出てくる。 これを「時代」が乗ったとか、「時代」が出てきたという。 これは鉢だけでなく、盆栽も樹皮がいかにも老樹・古木のような肌になったときも、やはり時代が乗ったというように、盆栽界ではこの「時代」という言葉は良く使う。 焼く温度による区分 鉢はぎりぎり低温で焼いたものから、非常に高温で焼いたものまで、その温度差はかなり広い。 こうした温度差によって鉢を区分する方法が ある。 1 土器(どき) 焼きものを焼くときの温度が、800℃までの場合はこれを「土器」 と呼ぷ。 「土器」は焼きものの質が軟らかく、かつ壊れやすい。 また艶はなく、焼きものとしての美しさはない。 考古学で、「縄文土器」などと呼ばれるものは、これに属し、陶磁器類としての価値は低いが、古典価値が取り沙汰されている。 ただ、鉢として使う場合は、価格が安く、通気性があり植物の生育に適しているため、「駄温鉢」とよぴ花丼栽培の養成や、安値な花丼類の販売に用いられる。 2 陶器(とうき) 「焼きもの」を焼くとき、その温度が800℃から1200℃の間にあるときは、これを陶器と呼ぶ。 盆栽に使う鉢も、家庭の食器類も、大部分はこれに属する。 「泥もの」の中の高価な鉢も、焼く温度区分から見れぱ、大部分はこの陶器に入る。 |