鉢の種類は非常に多く、すべてのものを網羅して解説することは、かなり難業であると思う。 ここにあげたものの中には、和製の「東福寺」や「陶翠」などは故意に挙げるのをあえて避けたが.いずれ遮加し充したいと思う。 盆栽に用いられる鉢は、おおむね3つのわけ方によって、これを分類したり、考慮することが出来る。 鉢の分類「泥もの」と」釉もの」「泥もの」は、「でいもの」と読む。 この区分は、釉(ゆうまたはくすりまたはうわぐすり)の有無によるものである。 釉は、音では「ゆう」と読み、意味は陶磁器類を焼くときに掛ける、「うわぐすり」このことで、釉の一字でも、「くすり」または「うわぐすり」と読むこともある。 この、「釉…くすり」を掛けた陶磁器(鉢)を、「釉もの」と言う。 「釉もの」と書けば、普通「ゆうもの」と読むが、ときには「くすりもの」と読むこともある。 釉を掛けた陶磁器「釉もの」は、光沢があって美しく、かつ色々な色がだせるため、多くの焼ものに用いられている。 盆栽関係では、主として雑木盆栽用の鉢に多く使われている。 これに対し、稲を掛けない鉢を「泥もの(でいもの)」と呼ぷ。 「泥もの」は、釉を掛けてないので、「無釉もの(むゆうもの)」と呼ぷこともある。 泥ものは「釉もの」のように、派手な美しさはないが、持ち込んで「時代」が付くと、非常に渋い美しさがあり、盆栽人の最も憧憬するもので、人により「美」の感覚は違うが、私などは、鉢の最高のものはこの中にあると見ている。 |