葉の色も金性とは思えないほど、悪かったが、色艶も回復してきている。 懸崖樹は、垂れさがっているために、上部の枝と下部ではかなり樹勢の違いがでてくる。 上部の樹勢の強い部分は、1年に数回、芽つみを行っているが、下部の枝は伸ばし気味にし芽つみの回数を減らし、平均化をはかった。 山採りされてから10年は、経ているだろう。 片野氏のもとへ来る以前に、一度、整姿が行われている。 さ一て、この懸崖をどうするか。 以前、整姿された正面は、立ちあがりから、グッとカーブを描いている。 神・舎利の美しさを重視して、正面と決めたようだ。 しかし、この正面では根元からの水吸い、つまり生きている部分が見えない。 いくら全体が美しく見えても、水吸いと舎利か一緒に映って見えなけれぱ、真柏の苦難の果てに盆栽にたどりついた、生きざまを表現できないと思う。 根元から水吸いと舎利がはっきり見えるところがあれぱ、そこを正面としたい。 それは、以前整姿された正面の裏面にあった。 根元から、水吸いが這い、さらに幹がカープを描きはじめるとともに、2手にわかれて、枝先に至っている。 この面を正面としよう。 表裏をかえてしまうのだ。 枝全体を、もっと上部へ、引っ張りあげなけれぱならない。 新しい正面から見て、裏側の一番下に垂れ下がっている枝は、30pほど持ちあげる必要がある。 樹冠部も、かな12回し込んで作らなければならない。 死と化している部分であるから、大切にしないといけない。 現在のところ、腐り防止にはこの方法しかない。 氏の真柏再生の記事に詳しく説明されているが、ここで、カンタンに復習しておこう。 |