ちょうど、それはスポーツ選手にたとえるならば、バスケットボールの選手とラグビー選手の体型の違いのようなものだ。 一方は、背が高くスリムに、足もカモシカのようにしまっている。 他方は肩幅が広く、胸も厚い。 そして、太股は筋肉が弾けそうなほど、ガッシリとしている。 さて、この樹は、現在、ラグビー選手の体型でありながらも、その体型をささえる各部がひ弱である。 素質はあるが、まだ体のできていない、ルーキーみたいなもの。 このままでは、レギュラーどころか、変に体を痛めて、リタイヤしてしまう可能性もある。 はやくラグビー選手としての、体を作ってやらなけれぱならない。 もっと、重量感をだすために、各枝を下げる。 樹頂部も上を向き、あらぬ方向を見つめているので、しっかりと観る者を凝視するように、おさめることにしよう。 針金かけを開始した。 太い枝には銅線に紙を巻いたものを使用する。 幹肌に傷をつけないようにするためだ。 針金は、一年間かけておくつもりだから、紙を巻いておく必要がある。 太い枝をのぞく他の枝には、銅線に樹脂でコーティングした針金を使う。 |