ミズガンピ。 沖縄の人気樹種には、海辺の植物が数多くあり、ミズガンピもその代表的なものである。 生育地は隆起サンゴ礁の石炭岩上にあり、強い潮風と強烈な日射しの厳しい環境に生きる。 このため、根は海水につかっていることも多く、台風時や10月ごろから北風の吹くときには、何日も何日も海水の荒波にもまれて」いる。 枯れたところが非常に固く、神や捌や舎利が腐ることなくいつまでも残る。 土地の呼ひ名でハマシタンといわれるのも、このような理由からであろう。 海辺の植物を仕立てた盆栽のなかでも、肥料として海水を与えるのはこの樹種だけてある。 厳しい環境のなかで生きる数少ない植物のミズガンピは、樹性も強く、作品としての仕立がりも早い。 盆栽としての見所は、海岸植物特有のみずみずしい葉と、白い幹のコントラストにある。 冬場でも青葉を、楽しむことかてきる。 特性 岩上に這うようにして群生している常緑小低木である。 強風をさえぎる場所では立ち木となリ、4〜5mの木も多く見られる。 葉は長楕円形で小さく、灰白色の絹毛があり、幹は堅く幹皮が厚い。 表面が白味を帯びた幹皮にはところどころに焦茶色の斑点がある。 小さな白色の花は、6弁花で5〜10月まで咲き統ける。 樹形 懸崖、吹き流し、株立ち、模様木、文人に適している。 元来は立ち木となる性質があると思われ、広範囲な樹形づくりが可能。 整姿 2年ぐらいで孫枝まで作れるほど樹勢が強く、気温の高まりにつれて次々と新芽を芽吹く。 3月ごろから芽つみを始めて、年に4回ぐらい行うと早く仕立てることができる。 芽吹きが止まる秋に剪定すると、枝桔れを起こすことがあるので注意したい。 木質が堅いため針金をあまり好まず、無理をすると樹皮を傷めることになる。 針金をかける場合はなるべく早い時期を選び、アルミ線を用いるとよい。 70日ぐらいで喰い込んでくるので、・早めに外すようにする。 植え替え 適期は4〜5月ごろで、剪定と同時に行う。 長くかかるときは、根を乾燥させないようにきり吹きをしながら行う。 用土は、浜辺の粗めの砂と腐葉土を半々に混ぜたものか、または赤玉土4、海砂4、腐葉土21を混合して用いてもよい。 施肥 油粕と水肥を交互に与える。 水肥は油粕の単用でもよいが、海草のアオサを油粕と半々に水に解かしたものに、2割程度の海水を加え、これを夏場に30日ぐらいおいておく。 こうして十分な発酵を得たものを、10倍に薄めて用いても効果的である。 月にー〜2回、灌水後に与えるとよい。 12〜4月ごろに、毛虫や葉まき虫がつくので見つけ次第に捕殺する。 幹に虫が入ることがあるが、スミチオン乳剤を散布するか、オルトラン粒剤をまくとよい。 灌水 海水を灌水として与えるのではなく、やはり普通の水で管理する。 よく水を好むので、夏場はとくに根にたっぷーーと与え、葉水を多くするといきいきとする。 |