個々の植物種の一つ一つについて、詳綱な温度特性が明らかにされていれぱ良いのであるがそのデータは非常に少ないのですが、自生地の温度条件を理解し、栽培の参考とするのであります。 一方において.植物の白生地の条件は必ずしもその植物にとって最適でなく、仕方なく現状で我慢している場合もあります。 最適の場所は他の植物に優占され圧倒されて生育できず、次善の場所、そこもダメならその次の場所というような状況に追い込まれることもあります。 例えば、ハイマツは平均気温12℃が上限であるか、東京のような7月の平均気温25℃となる所でも屋外の日射に耐えて生育します。 陽樹としてのハイマツはその他の樹木が生えない高所に止むなく育っていると見られます。 しかし同じ高山楓物の中には東京の夏に耐えないものも多いのです。 その原因の一つとして、夏の期間の温度が高山帯と東京では約20℃位の差があり、そのため東京では高山帯にくらべ根の呼吸が4倍以上となるため通常の植え方では空気の地中への拡散が不充分酸欠となり呼吸困難をきたすのです。 そこで東京の夏の高温に耐えられなくなることになります。 このことは亜高山帯、冷温帯植物でもその自生地と栽培地の夜間温度に差がある場合、樹種によっては栽培について考えなけれぱならないのです。 前にソメイヨシノの桜前轢か日平均筑温10℃と高山帯の花時は、日平釣、気温10℃の線の上昇とおおむね一致します。 このことほ秋の紅葉期日が高い所から下降するのと同様です。 |